重症心身障害は、脳性まひや筋肉の異常など重度の身体的障害に加えて、さまざまな程度の知的障害や行動障害などを併発した状態をいいます。重症心身障害は多くの合併症を誘発し、主だったものには、呼吸障害や摂食障害、床ずれといったものがあります。
特に、人工呼吸器などの生命維持装置の使用が必要となる程度が重い場合には、自立した生活を送るのが非常に難しく、何らかの支援が必要です。このため、支援の一つの形として重症心身障害児(者)施設があります。
どのような障害が見られるかは個々人によって大きく異なりますが、おおむね以下のような特徴が見られます。
まず筋肉が緊張した状態にある場合が多く、関節がうまく動かせず、自分だけで起き上がったり、自由に動いたりすることが困難です。また、誤嚥もしやすいため、食事には注意が必要です。
重症心身障害では、呼吸困難のため気管切開をしているケースも多いです。この場合、たんの吸引も必要となります。また、多くの人がてんかんを併発していることも重症心身障害の特徴の一つです。
このような特徴があるため、重症心身障害を抱えている人々は個々の状況やニーズに合わせた適切な支援を必要としています。
食事、入浴、排泄、移動など、基本的な生活スキルの獲得や維持が難しいため、リハビリテーションプログラムや専門的な支援、環境の調整などが重要です。また、積極的なコミュニケーションや情緒的な支援も大切になります。